本の構成
この本は四部構成です。
1.創業者の歩みと会社の沿革(ヒストリー)1~6章
2.事業継承 7~9章
3.現場で働くスタッフ(現場のスタッフ達)10~12章
4.経済ジャーナリストの視点で語るH&Mのまとめ(H&Mとは?)13章~15章
非常に長い本ですが、周りの方々に読んでいただいたところ、人によって面白いところが違うようです。さまざまな職種や世代によって心を打たれるところが違っているところを教えていただくと、感慨もひとしおに思えてきます。
もくじ
序文
(特別寄稿2014年)H&Mと日本
H&Mがやってきた
日本との関係はSEIKOから始まった
特殊な国、日本の支社長
IKEAからのサポートとユニクロへの追従
ヒストリー
第1章 始まり
狐(きつね)や狸(たぬき)を束にして従えるカリスマ
どのようにしてH&Mは国際的な企業に?
H&Mの知られざる内部
秘密のベールに包まれたスタッフたち
伝説と伝統
第2章 育った環境と家族
パーション家のルーツ 1917年~1938年
炭焼き職人から鉄工職人へ
激動の時代の脇道で
書店の息子との出会い
ディスレクシアが見せた天賦の商才
鋼鉄の貴婦人、妹エイヴォール
故郷ヴェステロースへの複雑な想(おも)い
第3章 失敗による学びと成功
黎(れい)明(めい)期(き) 1939年-1947年
アーリングからカールに
きらめくアイデア
ペン専門店の成功
小売りチェーン店への道
創業者のよもやま話
ベンチマークと能力開発
米国視察旅行
商科大学からやってきたスタープレイヤー
二人の友は違う道へ
ラースロー、フォード、ロックフェラー・・・偉大な経営者からの学び
第4章 H&Mの前身へネスの創業
ヘネスの大躍進 1947年-1966年
エンシルダ銀行
喧(けん)騒(そう)の店内ともの静かな社長
複雑で難解な服飾業界
厳格な管理と挑戦
EPAの責任者への打診
創業者と高学歴者
ヒュートリエットシティの創造主
ストアマネージャーたちの大活躍
第5章 H&Mの誕生
株式公開への道 1967年-1974年
長期にわたる高収益、そして資本の増強
ファミリー向け総合衣料品店、ヘネス&マウリッツ(H&M)の誕生
戦闘的なボクサータイプと穏やかなスイーパータイプ。
スモーランドのひな鳥たち
敬称の廃止
ノルウェーとデンマークへの攻略
ハムン通りのフラッグシップ店
マルメの貴婦人 BK百貨店の買収
買収と売却の狭(はざ)間(ま)で
巨大化し始めるヘネス
ゴッドファーザーと若頭
動き始める打ち出の小(こ)槌(づち)
第6章 試行錯誤
揺れ動く転換期 1975年-1980年
火曜日のイベント
二面性を持つリーダーシップ
カール-アクセルを吸収合併
若者向けブランド、インパルス
イメージイラストと本物のファッションモデル
1978年から繰り返されるデジャブ
H&Mが起こしたスウェーデンの繊維危機?
利益の落ち込みと権力の空白
ジュネーブ、ロンドン、そしてハンブルグ
事業継承
第7章 事業継承
アーリングからステファンへ 1981年-1989年
後継者の発表
後継者の新しい相棒
実験的な買収と不可解な買収
税制と政治に翻弄されるスウェーデン企業
ドイツでの成功の裏で
アーリング・パーションの引退
コンセプトとモジュールのスコール
水面下での激しいスカウト合戦
エネルギッシュな企業家と広告の天才
第8章 影響力と社会的責任
大企業への道 1990-1997年
ステファンへの権力の委譲
パーションとマクファーソン
イギリスでの失望
デザインと品質向上への取り組み
カミナリ親(おや)父(じ)マックス・フェリクソン
やりたい人がやりたい仕事に
労働組合との軋(あつ)轢(れき)
IKEAの心配
税制に翻弄される日々
沈黙する土地購入者
児童労働問題による危機
第9章 躍進と迷い
踊り場 1998年-2000年
オーバーコートを着たロックギタリスト
新たな若きCEOの方針
パリ、そしてニューヨークへ
株式バブルとH&M
急速に情熱を失うファビアン・モンソン
NYでの大成功と、MTV世代の大失敗
ファビアン・モンソンからロルフ・エリクセンへ
微調整する新会長
現場のスタッフ達
第10章 バックヤード
華やかな店舗の裏側での熱い戦い
仕入れ、生産、物流
ダッカにある“我々”の工場
管理と敬意の間で
購買部門を統括するカール・グンナル・ファーゲリン
デザイン画からセールまで企画するバイヤー
東莞(ドングァン)の奇跡
ルールと現実
膨大な物流の制御
第11章 フロント
ビュッフェの支度をする者
店舗と宣伝
時間とスペースの戦い
最高級のコックとウェイター
万引きと低賃金
男勝りな女たち
店舗は最高の広告塔
多数の来店者と少数の購入者
華やかなモデルたちに翻弄されるプロジェクトリーダーたち
第12章 店舗開発
準備し、構築する者たち
開店準備と拡大
ケント・グスタフソンの計算
知名度の上昇が出店の追い風に
マルセイユでの成功と失敗
ストックホルムでの設計と計画
仕事仲間と集団教育
より良い物件を手に入れるために
H&Mとは?
第13章 H&Mとは?
厳しく寛大なファミリー
組織と文化
ビジネスマンからヒューマニストへ
大家族的なメンタリティ
止まることを知らない
誰もが交代させられる
誰も満足も感心もしない。
見たこともない形の会社組織
シンプル、倹約、そして大(おお)雑(ざつ)把(ぱ)
権力者の不在
H&Mの給与
秘密主義、競争心、学習意欲、モラル
第14章 2000年当時の状況
ウォルマートとディオールの間で
市場と競合他社
アレキサンダー・マックイーン
メリーゴーランドとルーレット
数億人のための衣料品店
まだまだ棲(す)み分(わ)けが崩せない服飾小売業界
多国籍企業の衣料品店の状況
様々な販売チャンネルと商材
難攻不落ではなかったGAP
第15章 そして未来へ
男物のパンツ売り
外部との交渉と内部の人材の採用
事業継承における二つの姿勢
株式上場は必要なかった
戦略としての楽観主義
暗黙の了解とアンチ・アカデミズム
小売業者は市場の王様
イメージ戦略
等身大の人生を謳(おう)歌(か)するアーリングとステファン
パーションファミリー
永久機関